植木 環山 うえき かんざん
   

追晴偶試一閑節
村舎無人夕照舂
雨妨唫行幾兩日
秋風已到木芙蓉
晴を追って偶(=たまたま)を試す 一閑(=暇な時間)の節(=時)
村舎 人無く 夕照(=夕焼け)舂(=没する)す
雨を妨げ 唫行(吟行=作詩のための外出) 幾両日
秋風已でに到る 木芙蓉(=芙蓉)
29.9p×136p

文化5年(1808)生〜明治14年(1881)3月5日歿
 諱を友風、字を士雲、環山・玉堂・班竹と号し、通称は教之介という。
 山南町小畑(氷上郡和田村牧山小畑)の生まれで、父の雨鼎(玄卿の長男)は大阪の岡田南涯に学び、菅茶山などとも深く親交のあった儒医。
 弱冠にして京都の猪飼敬所、巌垣松苗(東園)に儒学を、後に和歌を大国隆正に学んだ。祖父の玄卿(後に遯窩)の代からの医業を継いだ。その傍ら私塾学半館を開いて、徒弟に漢詩や書を教授し、遠近より集る者が多かった。東都の安積艮斎が学半館の額を書き、篠崎小竹が門柱に聯句を揮毫した。播州粟賀池田候より招かれたが、辞して其子退蔵(斗南)を代わって仕えさせ、終生この地で医業の傍ら人々を教授した。
 「環山」の下に、白文の「友風之印」と、朱文の「士雲」の落款印が押されている。

推奨サイト
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